ベトナム人の日本語能力は?N1ってなに?ベトナムの日本語事情を解説

旅行先や転職先として日本人の間で人気のベトナム。また、ベトナムは親日国としても有名ですが、日本語を話せるベトナム人はいるのでしょうか?また、日本語を話せるベトナム人の日本語能力はどの程度なのでしょうか?今回は、そんなベトナム人の日本語事情を解説していきます。

 ベトナム人の日本語学習事情

ベトナム人の日本語学習者の人口について、また日本語学習者が増えている理由などについて解説をします。

 

 ベトナムでの日本語学習人口

ベトナムの人口は約9,500万人ですが、そのうち日本語を学習している人は何名いるのでしょうか。

大々的に行なっている調査では2015年に国際交流基金がおこなったものが最新とされています。この調査によると、ベトナムにおける日本語学習者の総人口は約64,000名でした。これは世界では8位の数字で、東南アジアではインドネシア・タイに次いで3位の数字です。

(出典:国際交流基金『海外の日本語教育の現状 2015年度日本語教育機関調査より』)

注目すべきは前回の調査となる2012年の調査結果の約46万人から約38%も増えているということです。

中国、インドネシア、韓国など日本語学習者の多い国ではその数が減ったという結果が出た調査なので、ベトナムにおいて日本語学習者が増えたことはより一層目立ちます。

 

 日本語学習者が増加している理由

ベトナムで日本語学習者が増えているのは、どのような背景があるのでしょうか。考えられる理由を以下にてお伝えします。

 

日系企業の増加

豊富で安価な労働力や将来性のある内需マーケット獲得に向けて、ベトナム進出する日系企業は年々増加しています。2011年に1,081であった日系企業の拠点数は、2018年には1,816まで増加をしています。

規律がしっかりしている、プロフェッショナルな環境で働ける、そして給与が比較的高いなどの理由からローカル系でなく、日系の企業就職を希望するベトナム人が増え、それに伴い日本語学習者が増えたと言われています。

 

日本国内の外国人採用の需要増大

日本は慢性的な人材不足に陥っているため、技能実習生やアルバイトも含めて、「外国人雇用を増やす」という大きな流れがあります。ベトナムに比べて日本の物価は高く、多くの給料を稼ぐことができることから、日本で働くことを目指し日本語を勉強するベトナム人が増加したと言われています。

2017年には在日技能実習生の総人口251,751人のうち実に104,800人がベトナム人という状況でした (経済産業省調べ)。また、2018年5月1日時点での日本におけるベトナム人留学生数は7万2354人で、全留学生の24.2%を占めています。

 

 ベトナムの第一外国語は日本語?

2016年、在ベトナム日本大使館とベトナム教育・訓練省の同意のもと、小学校3年生以上を対象に日本語を英語とならぶ「第一外国語」として教える方針が発表され、大きなニュースとなりました。現在では、5つの小学校で試験的に日本語教育が行われており、週4回の日本語の授業が実施されています。

日本からの観光客が年々増加していることや日本からベトナムへの投資額が世界第三位であるといったことが、この「日本語の第一外国語化」の背景にあるようです。今後継続していくかどうかは別ですが、日本にとってはベトナムでの日本語の第一外国語化はとても喜ばしいことだと思います。

 

 ベトナムで使っている日本語教育の教材は?

ベトナムでの日本語教育では、70%以上の日本語教育の現場では「みんなの日本語」が使われています。これは、ベトナムに限らず、日本語教育現場では同じような状況ではないでしょうか。

みんなの日本語で登場する日本語は、現代風ではなく、普段使われていない堅い表現の日本語もたくさん登場します。そのため、ベトナム人の日本語では、現在あまり使われない言葉や表現が多く使われています。

 

 ベトナムでの日本人の日本語教師の需要は?

日本語教育を受けているベトナム人の数も増え続けていることで、日本人の日本語教師の需要も増え続けています。以下の記事に、ベトナムにおける日本人の日本語教師の求人についてまとめています。興味がある方はご覧ください。

 

 ベトナム人が受ける日本語検定やテストは?

日本語に限らず、語学能力を判定し他者に示すために語学検定試験(テスト)がありますが、日本語についてはどのような検定があるのでしょうか?日本語検定の概要をご紹介します。

(出典:https://www.jlpt.jp/index.html)

 

 日本語能力検定(テスト)の種類

英語でもTOEIC、TOEFL、英検などの様々な種類の検定(テスト)があるように、日本語にもいくつかの種類の検定があります。具体的には下記の試験があります。

日本語能力試験(JLPT) /  ビジネス日本語能力テスト(BJT)/  実用日本語運用能力試験(TopJ) / 日本語NAT-TEST / 生活・職能日本語検定(J-Cert) /  実用日本語検定 (J.TEST) /  標準ビジネス日本語テスト (STBJ)  /  実践日本語コミュニケーション検定(PJC)

この中で、一番上に上げている日本語能力試験(JLPT) がベトナムに限らず、日本語能力を測る検定としては圧倒的な受験者数を誇ります。2018年に行われた日本語能力試験(JLPT)の受験者数は100万人を超えましたが、そのほかの検定では多くても6万人前後ということからも、いかに日本語能力試験(JLPT)の受験者数が多いかがお分かりいただけます。

 

 

 最も一般的な日本語検定「日本語能力試験(JLPT)」とは?

日本語能力試験(JLPT)とは、日本語を母語としない人の日本語能力を測るために1984年から現在まで続いている語学検定です。日本語能力を測る基準として、現在一般的に使われているのも日本語能力試験(JLPT)の結果になります。

現在は7月と12月、年に2回開催されています。

開催地はその都度異なりますが、2018年は86カ国で開催されました。ベトナムでは、ハノイ/ホーチミン/フエ/ダナンの4つの都市で開催をされ、約70,000人が受験をしました。

レベルはN1からN5まで五段階あり、N1が最も難しく、N5が最も易しいレベルです。N1 – N5まで、それぞれのレベルは下記のように定義されています。

N1:幅広い場面で使われる日本語を理解することができる。
N2:日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる
N3:日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる
N4:基本的な日本語をある程度理解することができる
N5:基本的な日本語を理解することができる

N1の試験は日本人であっても、間違えることがあるくらい難しいレベルです。

試験内容は「聴解/読解/ 言語知識(語彙文法) 」で、会話の試験はありません。TOEICで高得点であっても英語を話すのは苦手な人もいるように、会話のレベルは資格によらず個人差があることは事前に理解をしましょう。

 

 実際にN1 / N2 /N3 /N4 /N5のレベルってどうなの?

先ほどN1-N5のレベルを書きましたが、とても教科書的な表現であまりピンと来ない方が多いと思いますので、実際のレベル感について説明をします。

まず、日本語を使って働いてもらう場合、N2レベルは必要な場合が多いです。N3のレベルだと、日本語でのコミュニケーションがままならず、スムーズに業務を行うことが難しいでしょう。ただし、N2レベルでも日本人は簡単な表現を使って、コミュニケーションをとる必要があります。

日本オフィスとのやりとりや複数人が参加をするような会議であれば、N1レベルもしくはN2レベル上級の日本語能力が必要です。ただし、N2レベルの方は細かいニュアンスを理解できない、敬語なども正しい表現はできないことも多いです。

日本人相手の営業や日本本社との日本人と全く遜色ないやりとりをしてもらうのであれば、N1レベルの日本語能力が必要でしょう。場合によっては、N1を取っていても不十分なこともあります。

 

 検定データから見るベトナム人の日本語能力?

「◯◯人は日本語上手、◯◯人は日本語が上手じゃない」などと言われることがありますが、実際のところ国籍によって、日本語能力の違いはあるのでしょうか?一般的に、中国人は漢字文化のため、韓国人は韓国語の文法が日本語と似ているため、日本語が上達しやすいと言われています。

日本語能力試験(JLPT)の検定データから見てみましょう。

下記は、2018年12月の日本語能力試験での全体/中国/韓国/ベトナムでそれぞれのレベルの受験者割合を示したものです。国ごとの合格者数は発表をされていませんが、受験者数にもベトナムはN1とN2の割合が低く、中国・韓国と比較をするとハイレベルの受験者が少ないことがわかります。

【2018年12月の試験での各国の受験者数割合】

 N1N2N3N4
全体21%30%24%25%
中国35%43%13%9%
韓国30%30%27%13%
ベトナム6%20%32%42%

ベトナムに限らず東南アジア全体が中国や韓国と比較をすると同じような状況です。ベトナム人の雇用や日本語学校の受け入れなどの場面では、この事実を理解をしておく必要があります。

ベトナム人でN1資格を持ってる人を探すことは、中国/韓国と比べると難易度が飛躍的に上がります。

 

 ベトナム人の日本語人材って?

ベトナムで働くベトナム人の日本語人材はどのような仕事につき、給与はどのくらいが相場になるのでしょうか。

 

 ベトナム人日本語人材の需要とは。どんな求人がある?

日系企業において、日本語を話せるベトナム人を採用したいポジションは大まかに決まっています。どのポジションで日本語話者の採用が多いかを解説します。

 

通訳/翻訳

日本語通訳/翻訳の仕事が、日本語人材のもっとも一般的なポジションです。特に製造業では、日本人が通訳を介してベトナム人スタッフ/ワーカーとやりとりをすることが一般的です。また、日本語通訳/翻訳の仕事が常にない職場も多いため、日本語通訳/翻訳以外の仕事も任されるケースが多いです。

 

人事総務

人事総務は日本人社長や日本人出張者、日本本社との連絡の機会も多くなることから日本語人材を採用することが多いポジションです。通訳/翻訳のおいていない企業では、人事総務の日本語人材が通訳/翻訳としての役割も果たしていることがあります。

 

 日本語人材の給与相場

日本語話者が英語話者より少ないこともあり、日本語話者の方が英語話者よりも周世相場が少し高くなる傾向にあります。同じポジション、同じ職務内容でも、日本語話者の給与の方が100USD~300USDくらい高くなると言っていいでしょう(もちろん各求職者の日本語レベルにもよります)。

また、日本語レベルや実務経験年数による給与の差が発生します。N3だと新卒で300~400USD、3年ほど経験を積んで500USDくらいになります。しかし、新卒でもN1を持っていれば最初から600USD~800USD、数年経験を積んで1,000USD程度になります。

日本だとTOEICの点数が高ければ給与が上がるという例は少ないかもしれませんが、ベトナムでは言語のレベルでここまで給与に差がつくのです。

 

 日本人は日本語だけでベトナムで働けるのか

海外転職先として日本人の間で人気のベトナム。このブログを見ている方の中には、実際にベトナム転職を考えている方もいらっしゃるかもしれません。

「海外転職」となると気になるのが言語の問題ですが、果たしてベトナムでは日本語能力だけでも就職することは可能なのでしょうか。

 

 ベトナムで日本語はどれだけ通じる?

当然ながら、ベトナムで日本語が通じる場所はとても限られた一部の場所のみです。日系レストランが密集している日本人街の中、日系の旅行会社くらいでしょう。

それ以外はベトナム語だけ、よくても英語しか通じないという環境だと考えてください。ベトナムに来て日本語しか通じないところで生きようと思ったら、世界はとても狭くなります。

 

 ベトナム就職でベトナム語能力は求められる?

結論から言うと、ベトナムの現地就職でベトナム語能力をもとめられることはほとんどありません。

日系企業であれば社内公用語を英語で統一しているか、もしくは社内にベトナム人日本語人材を採用し、日本人の通訳などの対応をしてもらっているケースが一般的です。

もちろん、ベトナム語能力があれば優遇をされるケースは多いですが、ベトナム語は話せなくてもほとんど問題ないと思って大丈夫です。実際にベトナムに住んでいる日本人の中でもビジネスレベルでベトナム語を話せる人は1%程度だと思います。

 

 まとめ

ベトナムの日本語の実態についてお伝えしてきました。

今後、人口が激減する日本において、日本語が話せるベトナム人と一緒に働くケースが増えてくると思います。その際に、ベトナム人の日本語学習事情を知っていると理解が早いと思うので、こちらの記事を参考にしてください。

 

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