経理スタッフ採用におけるチェックポイント

ベトナム人経理スタッフ採用ポイント

ベトナムでの会社設立・運用にあたって、法律上の観点からも必要な機能となる経理職。

とはいえ、ベトナムで働く責任者の方で経理畑出身という方はあまりいらっしゃらないので、「経理の知識もそんなに無いし、面接するにしても正直どういう人がいいのかよくわからん」というケースが大半を占めるのではないでしょうか。

そこで今回は、経理の機能を大きく3つに分けたうえで、それぞれのスキル要件とチェックポイントをご提案したいと思います。

まず、CFO職を除外して、会計の機能を分類すると、以下に大別されます。
1:記録する(スタッフレベル)
2:まとめる(チーフアカウンタントレベル)
3:経営者の意思決定をサポートする(マネージャーレベル)

経理 電卓

1.記録する(スタッフレベル)

このレイヤーは、一言で言ってしまうと「事務処理の速さ、そして正確さ」がポイント。

日本で言うところの勘定奉行などの会計ソフトを使うことが一般的な経理業務において、最低限学校で学んでさえいれば、極論として、会計知識はそこまで重要ではありません。なぜなら、会計知識が無くても仕事が成立するようにシステム設計されているからです。

もちろん経理スタッフの業務として、請求書発行・入出金対応など各種業務もありますが、ちょっと学べば総務スタッフでも十分対応可能なレベル。

従って、PCスキルや現職の仕事量をチェックできるような面接・選考を行い、「いかにちゃんと捌けるか」を確認することが肝要になります。

2.まとめる(チーフアカウンタントレベル)

チーフアカウンタント(以下、CA)は企業の経理責任者。法律で最低一人の雇用が企業に義務付けられています。(※迂回措置はありますが、ここでは割愛します)

このポジションを担当するためには資格の保有が必須であるため、一定の能力・経験は保証されています。
それでは、何がポイントになるか。

結論から言えば、「自力で任意の会計レポートをデザインできるか」が目安になります。

ベトナムで納税時に義務付けられているTaxレポートのフォームは極めてラフです。
一つ例をあげると、管理費を「No.642 Costs of business management」という科目(会計上の項目)に集約します。
一応その下の区分はありますが、それでも荒い。

報告を受ける側として、これでは中身がさっぱりわかりません。
結果、経営の最適化ができないばかりか、チェックが効かず最悪不正の温床になります。

そのため、多くの企業様ではTax用の他にInternal用(内部用、または管理会計)の導入を行われているかと存じます。
管理把握以外の用途は・・・説明不要ですね。

そして、ここが分岐点であり、CAのレベルに最も違いが出るポイントになります。

優秀なCAは上記の要請により詳細に対応した経験を持っていますが、企業側から要請が無かった場合、会計システムや会計事務所に依存して業務をこなしています。

つまり、たとえ何年のキャリアがあろうとも「もっと詳しくできないの?」というニーズに応えることはできません。
自社の会計情報を経営者の要望に沿ってまとめることができないCAは果たして有能だと言えるでしょうか。

自社採用を含め、多くのCAと面談してきましたが、感覚的には50:50で分かれます。
その経験から、選考の際は会計レポートのデザイン力に注目することをお奨めします。

3.経営者の意思決定をする(マネージャーレベル)

ここまで来ると、豊富な経験・知識がある方がほとんどなので、あまり多くを語ることは難しいですが、やはり優秀な候補者とただ年数を重ねただけの候補者は違いがあり、「どれだけの気づきを持って、経営のサポートを担えるか」がポイントになります。

まずは差支えない範囲で直近の自社会計情報を開示して、所見を述べてもらいましょう。

極めてアクの強い私見になりますが、直近のBS・PL・CFの3点だけを見せてみて、それで何か語る方はあまり優秀だとは思えません。

ひっかけ問題のようですが、「これだけでは何とも言えない」というのが正解だと考えます。

数字は比較対比することで初めて意味を持ち、局地的な情報だけで判断するのはいかに会計の知識があろうと、ただの数字遊びです。

同業他社情報、前年同期情報、そういったものと比較対比して、自社の課題を発見する。そこをスタートラインとして、その指摘が実際の経営状況と照らし合わせた際に的を射ているかで判断して頂くと良いかと思われます。

もちろんその他の要素もありますが、観測者としてのスキルこそが、貴社経営に役立つ最低条件になるのではないでしょうか。

経理スタッフ

以上、3点をつらつら書きましたが、会計に苦手意識を持つ方を意識して、意図的に会計知識そのものではない判断基準を提示させて頂きました。

専門性が強い領域であるため、一見して難しく見えてしまいがちですが、本質的に経理の仕事は学校の勉強と同じで「答えのあるもの」なので、他の職種よりも候補者の能力やポテンシャルが測りやすい職種でもあります。

このコラムが優秀な経営パートナー採用の一助になれば幸いです。
「そんなに言うならお前が選考をやってみろ」と思われた方は是非お声かけ下さい。



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