現地コンサルタントが語る、ベトナム就職のリアル

ベトナム就職の内側とは、現地で働くキャリアコンサルタントに聞いてみた。

キャリアコンサルタント辻野

海外に進出している日系企業数が過去最多となり、いよいよ「海外就職」という言葉に馴染み始めたのではないかと思っている。また海外転職先として、今最も注目を集めはじめているのも東南アジアだ。

外務省が発表した海外在留邦人数の調査でも東南アジアの多くの国がランクインしており、中でもベトナム・インドネシアは前年比2年連続10%と圧倒的に増加しているのがわかる。

そのベトナムで多くの転職活動をサポートしている、辻野にベトナム就職の本音について聞いてみることにした。辻野は弊社のキャリアコンサルタントで多くの海外転職希望者と日々面談をしている。

その役割からどのような人が海外就職を希望し、どのような人がこの国に馴染めるのか、生活、ビジネス環境、独自の文化など、実際にお客様から質問があった内容をもとにベトナム就職のリアルを語ってもらった。

追記;現地コンサルタントが語るこちらの記事は8月最も読まれた記事ランキング第3位に選ばれました。


海外にいることを忘れてしまうくらい、生活がしやすい

− Q. ベトナムで生活されている̂一人として、生活環境はどのように感じられていますか?

一言で言うと海外に住んでいることを忘れる瞬間があります。それはベトナムという国での生活が日本での生活と変わりなく過ごせているからだと思うんです。インフラも安定供給されていてインターネットは日本より繋がるし、ご飯もおいしい。嘘の様に聞こえるかもしれませんが、これは全て事実なんです。

日本の友人に「日本食が恋しくなるか?」と言われることもありますが、つい最近「大戸屋」が中心部にオープンされましたし、日本料理屋も探すのに困らないほどあちこちにあるんですよ。

またホーチミンとハノイでは少し異なりますが、日本人と馴染みやすい国民性なので、
年長者を敬ったり、3世代同居が一般的なので、一昔前の日本を彷彿させる感じがします。

今ホーチミンで噂の大戸屋に行ってみた

ホーチミン 大戸屋

 − Q. 一つだけ問題点を挙げるとすれば、最初に何が思い浮かびますか?

挙げるとすれば、交通渋滞ですが他の東南アジア諸国も変わらないか、もしかしたらインドネシアはもっとひどい交通渋滞だと思います。ベトナムにはバイク文化という日本では考えられない文化がありますので、帰国をした際に日本の走り屋などを見ると、可愛いく見えてしまいます。

ベトナムでは地下鉄の開発が進められており、バイク大国のこの国に新しい移動手段が手に入るかもしれない。そういった街の様相も一変する瞬間を観れるというのは新興国限定の魅力だと感じています。

また女性が生活できそうなイメージがよく湧かないと言われますが、フランスの統治下にあった歴史的背景から街の至る所にカフェがあり、外観のレベルも高いのは女性の魅力の一つと言ってもいいですね。

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大量のバイク

英語は社内コミュニケーションレベル

− Q. ベトナムでは英語が必須だと聞きますが、実際にベトナムの英語レベルは高いのですか?

よく転職を希望されている方々に「英語ができないのですが、大丈夫ですか?(働けますか?)」という質問を頂くのですが、英語ができなくても仕事をすることは(仕事にもよりますが)十分可能というのが結論です。

もちろんできることが何よりですが、日本人が不足するポジションとして日系企業向けの営業担当、カスタマーサービスなどが一番多く、多数の依頼を頂いております。必ずしも英語を必要としない職種であるために、英語でのメール対応など基本的なことができればクリアできます。

ところで一番求められるレベルで言うと、社内コミュニケーションレベルです。ベトナム人で日本語を話せる人は一定数いますが、それでも英語人材よりは圧倒的に少ないです。英語が得意でない方でも身振り手振りなど色んな工夫をしながら相手に伝えることができれば十分です。

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大きく二つに分かれる、就職希望者の特徴

キャリアコンサルト辻野2

− Q. 多くの方を面談されていると思いますが、どのような方たちがベトナム就職に応募されているのですか?

弊社の登録されている方々の年齢は20代半ば~60代半ばまでと本当に幅広いです。最近は50代以降の登録者も増えており、優秀な技術者の方を中心に、これまでの海外勤務経験を活かし、ベトナム社会に貢献したいという方が目立ちます。

20代~30代の方については、留学や旅行がきっかけで海外就職を希望される方が多く、将来的に自分でビジネスをやりたい、このボーダレスな時代にどこの国でも働ける人材になりたいという考えの方もいらっしゃいます。

一方で、なんとなく海外への憧れから就職を希望される方も少なからずいらっしゃいます。3年、5年、10年の明確なキャリアプランを描く必要はありませんが、面談時に動機付けが甘いんじゃないかという印象を受けることはあります。先ほど英語力がなくても働けるという話をしましたが、英語力がなくても働けてしまう環境だけに、ある程度の目標を持たないと環境に対しての甘えが生じ、結果的に知識も・経験も蓄積できずに時間だけが過ぎてしまうというリスクは十分にあると思います。

上記のような方々向けにキャリアプランの設計や、転職活動の悩みなどを解決するお手伝いをさせて頂いております。

日本人でないと出来ない仕事はまだある

 Q. 真逆の質問となりますが、現地の日系企業、その他に求められている人材はどのような人ですか?

基本的に企業側の思いとしては、コスト削減を目的に海外進出をしている以上、コストのかかる日本人は極力採用したくないのが本音としてあります。それでも日系企業向けの営業であったり、日本本社との連絡窓口、ローカルスタッフの管理、新規事業立上げなど「日本人でないと出来ない仕事」には、少しコストがかかったとしても日本人を雇う、そこで初めて日本人の現地採用のニーズが発生するというわけです。

では、どんな方が求められているのか。実際に採用まで見守らせて頂いて気づいたのは「対人印象が良く、自分のキャリアの棚卸しができていて、転職市場における自分の価値を的確に把握できている人」だと思います。ベトナムだからといって特別求められる人物像が日本と異なるということはあまりないと思います。

ただ、若い方であれば、比較的ポテンシャル採用して頂ける確率が、やや日本よりも高いかもとは思います。30代後半以降の方であれば、一定のマネジメント経験の有無、英語能力の有無が内定獲得において重要な割合を占めてきますし、特に技術系職種であれば、歳を追うごとに、能力+海外経験の有無が問われるようになってきます。

ベトナムで通用する日本人の4つの特性

駐在員(出向者)と現地採用に身分の差はない

キャリアコンサルタント辻野3

− Q. 駐在員と現地採用のメリット・デメリット、相互関係などあれば教えて下さい。

現地採用のメリットは、何と言っても会社都合での異動がない分、長期的なキャリアプランを立てることができることだと思います。また、ほとんどの企業で給与が現地通貨で支払われるので、ここ3年でドルに対して円安が急速に進んでいるが、為替の影響を受けずに生活できるのもメリットの1つです。

逆にデメリットは、駐在員に比べ給与面で見劣りする点、厚生年金の適用がないため、国民年金を自分で管理して加入しなければならないことがあったり、また日本の労働保険の適用がないことが挙げられます。それから、駐在員の方がいらっしゃる場合は、実質社内でのキャリアアップが難しいというところでしょうか。いまだに駐在員贔屓をしてしまう会社もあるので、双方が気持ち良く仕事ができる日はまだまだ遠い気がします。

現地採用と駐在員の関係については、インターネット上では、駐在員が現地採用の人を見下すだとか、駐在員と現地採用の人ははっきりとコミュニティが分かれていて交流しない等という記事を目にしますが、普段駐在員・現地採用と考えて接するわけではないので、特に壁を感じることは全くないです。 派閥のようなものがあるわけでもないと思います。

ただ、現実には、現地採用と駐在員の待遇の差を知らずに来た人が、いざ駐在員の待遇の良さを目の当たりにして、辞めてしまうというような事例もあるにはあります。ベトナム人の経営者クラスが住むマンションに住んでいる人も多いですから、羨ましく思うのは当然だと思いますけどね。

*日本人も多く住む高級マンションです。
saigon pearl

これから進む更なる「現地化」

− Q.ベトナムへの転職希望者数はこれからも増えると思いますか?

コストのかかる駐在員を減らし、現地採用で対応していくという大きな流れは今後も変わらないと考えています。ベトナムに進出している日系企業のうち、約半数近くが製造業です。

しかし、日系企業の進出がここ十数年であるため、ベトナム人マネージャーの育成が追いついていないという時間しか解決できない問題があることも事実です。ベトナム人マネージャーの育成と共に、ベトナム人スタッフの管理を日本人に任せたいというニーズは、引き続きあるものと思います。

また、若手に関しても、日系企業の新規進出の流れを背景に、駐在員をおかず「現地化」を進めていく上で、どうしても省けない本社とのやりとりや、日系企業への営業ポジションを現地採用に置き換え対応していくものと思われます。

今のベトナムは人口構造の黄金期

− Q.これからのベトナムについて、「人口×消費」という観点から見るとどう感じられますか?

ASEANの中でインドネシア、フィリピンに次いで9,000万人近い人口を抱えるベトナムは、今まさに「人口構造の黄金期」の真っ只中。2020年には中間層・富裕層人口が、総人口の約3分の1にあたる3,300万人にも上るとみられていて、これは現在のタイと同規模に相当します。

実際に、自分の世代が親世代よりも暮らし向きが良く、今後の世代は自分の世代よりもさらに良くなると考えている人が90%以上であるとの調査結果も出ています(タイ・インドネシアなどは60~70%だとのこと)。ベトナム人はもともと購買意欲自体が高い上に、タイ・インドネシアに比べ、インターネット利用率も高いので、現在保有率が5%前後のクレジットカード・デビットカードが一般的になれば、さらに消費拡大に拍車がかかることでしょう。

初めての海外就職!〜ベトナム編 Vol.1〜

− Q. 製造業が多く進出されているようですが、今ベトナム人の人件費はどうでしょうか?

また、「ネクストチャイナ」と呼ばれるようになって久しいベトナムですが、確かに人件費の上昇は続いています。それでも、社会保障費の企業負担分を含めた、トータルの労務費で見れば、マレーシア・タイ・フィリピンの半分以下です。

さらに、ベトナムは週休2日制がまだまだ一般的ではなく、祝日数も少ないので、アジアの中でも労働日数の多い国です。実働の労働時間当たりの人件費を考えると、一概にベトナムの人件費は高いとは言えない。

以上の国としての成長性に加え、政治的リスクの低さ、対日感情と治安の良さ、中国とASEANを結ぶ地理的優位性等々を考えると、日系企業が進出する際のビジネス環境が非常にバランス良く整っており、今後も日系企業の進出は続いていくでしょう。

それに伴い、一層の人件費削減=駐在員<現地採用のニーズも高まると推測しています。

初めての海外就職!〜中国編 Vol.1〜

まとめ

ベトナムに住みながら生活、そしてビジネスを地に足つけているから分かることがあるようです。
海外で働きたいが、働いたことの無い人はとりあえず1日でも1週間でも現地に足を踏み入れ、今この国がどのように動いているのか、何が不足、求められているのかを考えるのもいいかもしれません。
現地の日本人と話す機会はありますし、弊社にもお問い合わせページから気軽にご連絡頂ければ、いつでも相談に乗ることができます。たった一度きりの人生、海外でのチャレンジをJellyFishHRは応援します!

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